タトゥー施術において、カートリッジニードルは現代のタトゥーマシンの重要なパーツとして、多くのアーティストに愛用されています。従来の針とは異なり、使い捨てで衛生管理がしやすく、交換が簡単という特徴を持ち、特にペン型タトゥーマシンと相性が良いです。
しかし、カートリッジニードルには様々な種類があり、どの針を使うべきか迷うこともあるでしょう。本記事では、タトゥーカートリッジニードルの種類、特徴、そして用途ごとの選び方について詳しく解説します。
1. カートリッジニードルとは?|従来の針との違い
カートリッジニードルは、針とチューブが一体化した使い捨て型のユニットです。従来のタトゥー針は、針、チューブ、グリップが別々に取り付けられていましたが、カートリッジニードルは、針をセットしてからの装着が非常に簡単で、衛生面でも優れたメリットがあります。
1-1. カートリッジニードルのメリット
・交換が簡単:作業中にニードルを素早く交換でき、効率的な施術が可能。
・衛生的:使い捨て仕様で、施術ごとに新しいカートリッジを使うため、感染リスクが低い。
・軽量で操作性が良い:ペン型マシンと組み合わせることで、細かい作業がしやすくなる。
2. カートリッジニードルの種類|形状と用途による分類
カートリッジニードルは、針の配置や形状、用途に応じてさまざまな種類があります。施術の内容やデザインに合ったニードルを選ぶことが、仕上がりのクオリティを大きく左右します。ここでは、主要なカートリッジニードルの種類とその特徴を解説します。
2-1. ラウンドライナー(RL)
特徴
• 複数の針が円形に束ねられた形状で、線を描くために使われる針です。
• ライニング作業(アウトラインを引くこと)に適しており、細かいディテールも描きやすい。
用途
• 細い線やアウトラインを正確に描きたいときに使用。
• シンプルな文字や、小さな図案にも向いています。
代表的なデザイン
• ラインアート、文字、アイコン
2-2. ラウンドシェーダー(RS)
特徴
• ラウンドライナーに似た形状で、シェーディング(影付け)やグラデーションを入れるための針です。
• 複数の針が丸く配置されているため、滑らかな陰影を作ることができます。
用途
• 細かいグラデーションや、影付け、色のぼかしに使用。
• 小さな面積の色埋めやシェーディングに向いている。
代表的なデザイン
• ポートレート、リアルな描写
2-3. フラット(F)
特徴
• 針が一直線に並んだ形状で、シャープで正確なラインを描くことができます。
• ラウンドライナーよりも、幅広い線を引きたい場合に適しています。
用途
• 細い線よりも太めのアウトラインや、面をしっかり塗りたいときに使用。
• ブラック&グレーやシンプルな図形のタトゥーに最適。
代表的なデザイン
• トライバルデザイン、太めのアウトライン
2-4. マグナム(M1, M2)
特徴
• 針が2列に並んだ形状で、色を均一に入れるために使われる針です。
• M1は、フラットに並んだ針が少し開いているタイプで、より滑らかなシェーディングが可能です。M2は、針が密集していて、より濃くインクを入れられます。
用途
• 広い面積の色埋めや、グラデーション作業に最適。
• バックピースや大きなタトゥーの仕上げに使用されることが多い。
代表的なデザイン
• 大きなカラータトゥー、背景のシェーディング
2-5. ソフトエッジマグナム(SEM)
特徴
• マグナムと同様に、2列に並んだ針ですが、先端がカーブしている(ソフトエッジ)ため、肌に優しくインクが入りやすい。
• 滑らかなシェーディングや、繊細なグラデーションに最適です。
用途
• 柔らかい影を作るのに最適で、ポートレートやリアルな表現に向いている。
• 肌に負担をかけにくいので、敏感肌の人や長時間の施術にも使用可能。
代表的なデザイン
• ポートレート、リアリズムタトゥー
3. カートリッジニードルの選び方|デザインや用途に応じた針の使い分け
3-1. ライニングに適したニードル選び
ライニングを正確に行うためには、ラウンドライナー(RL)やフラット(F)の針が適しています。
• 細い線を引く場合は、ラウンドライナー(RL)を使用し、特に小さなデザインや細かいディテールに最適です。
• 太い線や直線を強調したいデザインには、フラット(F)が効果的です。
3-2. シェーディングやグラデーションに適したニードル選び
シェーディングや色埋め作業には、ラウンドシェーダー(RS)やマグナム(M1, M2)を使用します。
• 広範囲を均一に塗りたい場合は、マグナム(M1, M2)が最適です。
• 細かい部分や柔らかい影を付けたい場合は、ソフトエッジマグナム(SEM)を使用すると、より滑らかに仕上がります。
4. 衛生面の管理も忘れずに|カートリッジニードルの使い捨てが重要
カートリッジニードルは使い捨てタイプが主流です。一度使用したカートリッジは再利用せず、毎回新しいものを使うことが基本です。これにより、感染症のリスクを大幅に減らし、クライアントの安全を確保できます。
また、使用後のカートリッジはシャープスコンテナに入れて廃棄するなど、正しい衛生管理を徹底しましょう。
まとめ:カートリッジニードルを正しく使い分けて、理想のタトゥーを実現しよう!
タトゥーカートリッジニードルには、ラウンドライナー(RL)、ラウンドシェーダー(RS)、フラット(F)、マグナム(M1, M2)、ソフトエッジマグナム(SEM)など、様々な種類があります。これらのカートリッジニードルを正しく使い分けることが、理想的な仕上がりと効率的な施術につながります。
• 細い線やディテールにはラウンドライナー(RL)を使用し、シャープな線を描く。
• 太いラインや広範囲のシェーディングには、マグナムやフラットを選び、滑らかな色の埋め込みや影付けが可能に。
施術を行うデザインや目的に応じて、適切なニードルを選ぶことが重要です。また、衛生面の管理を徹底し、毎回新しいカートリッジを使用することで、クライアントの安全と信頼を守りましょう。
タトゥーアーティストにとって、カートリッジニードルの種類を理解し、適切に選び使い分けるスキルは、プロフェッショナルとしての成長と成功への鍵です。自分に最適なニードルを見つけ、タトゥーアートの技術をさらに向上させていきましょう。