タトゥー施術において、針の衛生管理は最も重要なポイントのひとつです。針を適切に管理しないと、細菌感染やウイルス感染のリスクが高まり、重大な健康被害につながる可能性があります。

一部のアーティストや初心者の中には、コスト削減のために針を使い回そうと考える人もいますが、それは非常に危険な行為です。

本記事では、タトゥー針を使い回してはいけない理由、適切な針の管理方法、安全な施術のためのポイントについて詳しく解説します。

1. タトゥー針の使い回しが危険な理由

タトゥー針の使い回しは、以下のような深刻なリスクを伴います。

1-1. 感染症のリスク

タトゥー針は、皮膚の奥深くにインクを注入するため、血液や体液が付着しやすい道具です。使い回しをすると、以下のような感染症にかかる可能性があります。

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)

• 感染者の血液が付着した針を使用すると、HIVに感染する可能性がある。

B型肝炎・C型肝炎

• 肝炎ウイルスは血液を介して感染し、慢性肝炎や肝硬変、肝がんの原因となる。

• B型肝炎ウイルスは環境中でも長期間生存できるため、適切な消毒なしでは危険!

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症

• 皮膚の傷口から細菌が侵入し、重篤な皮膚感染症や敗血症を引き起こす可能性がある。

1-2. 施術の質が低下する

針を使い回すと、以下のような問題が発生し、施術のクオリティが大幅に低下します。

・針の切れ味が落ちる → 皮膚を傷つけやすくなり、痛みや腫れが増加

・インクの流れが悪くなる → 色ムラや仕上がりの不均一化

・針が変形しやすい → 細かいラインやグラデーションが綺麗に入らなくなる

1-3. クライアントの信頼を失う

タトゥー施術は、クライアントとの信頼関係が重要です。

針を使い回すアーティスト」として悪い評判が広まると、信頼を失い、顧客が離れてしまうでしょう。

2. タトゥー針の正しい管理方法

2-1. 使い捨て針(ディスポーザブルニードル)を使用する

1回の施術ごとに新しい針を使用する

• 使い捨て針は、施術後に必ず破棄する。

• 一度使用した針を別のクライアントに使用することは絶対にNG。

カートリッジニードルも基本は使い捨て

• 一部のカートリッジニードルは「再利用可能」とされるものもあるが、衛生管理が難しいため、基本は1回限りの使用を推奨。

2-2. 針の廃棄方法を徹底する

シャープスコンテナを使用する

• 使用済みの針は医療用のシャープスコンテナ(針捨て容器)に入れて廃棄する。

• 普通のゴミ箱に捨てるのは絶対にNG!(感染リスクが高まる)

自治体の規定に従い廃棄する

• 医療廃棄物の処理ルールは地域によって異なるため、自治体の指示に従うこと。

2-3. 針を再利用する場合の厳格な滅菌処理(推奨しない)

オートクレーブ(高温高圧滅菌器)を使用する

• 121℃・15psiの高圧で15〜30分間滅菌することで、細菌・ウイルスを完全に死滅させる。

• ただし、滅菌後も完全な無菌状態を維持するのは難しいため、可能な限り再利用は避けるのがベスト。

超音波洗浄+消毒液での処理

• オートクレーブを使用する前に、超音波洗浄機+70%以上のエタノールで前処理を行う。

3. タトゥースタジオの衛生基準を守る

安全なタトゥー施術を提供するために、以下の衛生基準を守ることが重要です。

・針・インク・グローブなどは全て使い捨てを基本とする

・施術前後に作業スペースを消毒する

・使い回しの可能性がある道具(クリップコードカバー・バリアフィルム)を適切に管理する

・クライアントにも衛生管理の徹底を伝える

4. まとめ:タトゥー針は絶対に使い回さない!

タトゥー針の使い回しは、感染症のリスクを高め、施術の質を低下させ、クライアントの信頼を失う原因になります。

・使い捨ての針を使用し、1回ごとに廃棄する!

・使用済みの針は適切に処分し、衛生管理を徹底する!

・オートクレーブを使っても、針の再利用は推奨しない!

・クリーンな施術環境を維持し、クライアントの安全を最優先に!

タトゥーアーティストとして、衛生管理を徹底することはプロとしての責任です。適切な針の管理を行い、安全で信頼できる施術を提供しましょう!

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